2022.08.13 07:00EBMにまつわるピラミッド:EBHC pyramid 5.0 (2016)この記事では、EBMにまつわるピラミッドとして、EBHC pyramid 5.0 (Alper BS, et al. 2016)を紹介します.EBMでは、研究デザインに焦点をあてたエビデンスレベルのヒエラルキーを整理したピラミッドが有名ですが(本ウェブサイト内関連記事)、臨床で研究結果を実践に統合するということを考えたときに、例えば「メタアナリシスの結果」のみがあれば解決かというと、そうではありません.メタアナリシスは、たしかにあるclinical questionに対する答えを、research questionとして組み立てて、その結果を示してくれています.しかし実際の臨床で意思決定を行う過程では、メタアナリシスの結果以外にも、様々な情報を要します...
2022.08.13 06:30EBMにまつわるピラミッド:New evidence pyramid(2016)この記事では、EBMにまつわるピラミッドとして、New evidence pyramid (Murad, et al. 2016)を紹介します.EBMでピラミッドといえば、ランダム化比較試験(Randomized controlled trial, RCT)のメタアナリシスを最上位としたエビデンスのヒエラルキーが有名で、古くから知られるピラミッドかと思います.これには、次のような特徴があると考えられます.バイアスをどの程度制御できる研究デザインか?が評価の軸となる1つの研究結果だけではなく、複数の研究結果を統計学的に統合するあくまでも、各研究の「研究デザイン」をベースにしているため、それ以外の要素(実際に行われた研究自体の研究の質)を評価するという観点...
2021.08.14 03:00EBP教育介入のレビュー|Effectiveness of training in EBM skills for healthcare profession: a SR (2016)医療分野のシステマティックレビューでは、Cochrane Handbookを参照した研究のRisk of Biasの評価がよく行われていますが、Hecht Lらが行ったEBP教育介入のレビューでも同様の試みがなされています (Hecht L, et al. 2018).また著者らは、EBP教育介入がcomplex interventions(※)であることにも注目し、”Reporting quality with regard to the development and evaluation of a complex intervention” についても評価されています.この研究では13件が対象となり、次のようなことがわかりました.・EBMトレーニ...
2021.07.17 10:02[大学院教育] ノルウェーにおける多職種EBP教育 (2016)EBPは専門職として学び続けるものですが、効果的なEBP教育はまだ確立されておらず、とくに大学院のEBP教育の研究はまだ発展途上にあります.Holeら(Hole GO, et al., 2016)は、ノルウェーの大学院修士課程でEBP教育を提供し、修了1年後に、インタビューを行った結果 "Educating change agents: a qualitative descriptive study of graduates of a Master's program in evidence-based practice" を発表しました.対象者の多くに看護師が含まれています.この研究の目的は、大学院修士課程の修了生が「EBPの原則を適用する能力をどの...
2020.08.26 22:00[学生版EBP尺度の紹介] Student Evidence-Based Practice Questionnaire (S-EBPQ)学生を対象としたEBPの自己評価尺度として、Upton Pら(2016)らが開発した Student Evidence-Based Practice Questionnaire (S-EBPQ) が発表されています.オリジナルの言語:英語Upton P, et al. Development of the Student Evidence-based Practice Questionnaire (S-EBPQ) Nurse Educ Today.2016;37:38-44. doi: 10.1016/j.nedt.2015.11.010. Cross-cultural validityの論文オーストラリアでの検証Beccaria L, et...