医療系の学生を対象としたシステマティック・レビューは、すでにいくつか発表がありますが、医学生や看護学生のように専門職が限定されているケースがありました.そのような中、Larsen CMら(2019)は、ヘルスケア領域全般の学部教育としてのレビューの結果を発表しました.
このレビューでは、2010年~2018年に発表された論文81件が対象となりました.(なお、医学部・歯学部の学生を対象とした文献、 英語・デンマーク語・ノルウェー語・スウェーデン語以外の言語の文献は、研究の対象外とされています.)
レビューによって、次のことが報告されました.
・論文の大半はアメリカ
・研究対象者の大半は看護学生
・教育方法は、研究コース・ワークショップでの実施が最も多かった
・EBPの5つのステップのうち、ステップ2~4が多く含まれていたが、5つ全て含まれている研究はわずかであった
先行研究では、医学部を中心としたEBM教育の文献レビューなどもありますが、この論文は、看護分野の学部のEBP教育に関して、比較的網羅的なレビュー論文であるといえるでしょう.とくに81の論文について、表に情報が整理されているので、各論文の概要をつかむのにもよいでしょう.
Reference.
Larsen CM, et al. Methods for teaching evidence-based practice: a scoping review. BMC Medical Education. 2019;19:259
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