2024.09.28 02:30論文 | 日本の看護師・看護学生・看護系教員を対象としたEvidence-based Practiceとその隣接領域の研究を特定するプロセス及び研究の特徴:探索的スコーピングレビュー論文「日本の看護師・看護学生・看護系教員を対象としたEvidence-based Practiceとその隣接領域の研究を特定するプロセス及び研究の特徴:探索的スコーピングレビュー」(友滝愛, 小玉淑巨, 二見朝子. 日本看護科学学会誌. 2024;44:117-128.)が公開されました.「EBPやその隣接領域の研究論文を探そう!」と思ったときに、このレビュー論文の内容が踏み台となって、必要な文献を早く的確に検索できてたどり着き、その先により早く進むことの一助になれば幸いです.また本研究を通して得た以下の知見について、ウェブサイトで公開しています.詳しくは、サイト内関連記事をご参照頂ければ幸いです.レビューの対象となった文献リストレビューを行う過程で整...
2024.08.04 22:00EBP教育のレビュー論文のまとめ(更新)EBP教育のレビュー論文を掲載します.■ 2024Kachabian S, et al. Effectiveness of educational strategies to teach evidence-based dentistry to undergraduate dental students: a systematic review. Evid Based Dent. 2024;25(1):53-54. doi: 10.1038/s41432-023-00958-5. PMID: 38182660.Objectives: Evidence-based dentistry (EBD) training has been widely ...
2023.08.31 22:30Recent articles (2023.9.1)論文のtitleやabstractにEBP, evidence-based interventionのimplementation & disseminationに関するキーワードが含まれている文献の書誌情報を掲載していきます.※ titleとabstractのみの確認でスクリーニングしています.また必ずしも最新文献だけではなく、過去にさかのぼっているものも含まれます.あらかじめご了承ください.タイトル一覧Mock trial as a simulation strategy allowing undergraduate nursing students to experience evidence-based practice: A scop...
2023.07.09 07:30ISのレビュー | Making sense of implementation theories, models and frameworks (2015)エビデンスに基づいた介入やその実装に関する理論・モデル・フレームワークが多数発表されている中、Nilsen(2015)は、実装科学(とその周辺領域)で使われる理論/モデル/フレームワーク(※)を5カテゴリに分類し、さらに3つの目的にタイプ分けしたものを提示しました.(※)理論・モデル・フレームワークは、一般的にそれぞれ異なる定義がありますが、ISの研究ではしばしば区別せずに用いられている、と述べられています.Nilsenの分類を知っておくことは、様々な理論/モデル/フレームワークの取捨選択において有用です.また、エビデンスに基づいた介入やその実装を考えるうえで、自分は何を知りたいのか? 何に注目したいのか?今の現状をどう整理したいのか?といったことをロ...
2023.01.29 06:00レビュー論文 | Knowledge translationに関する文献で使われている用語に関する調査EBPに隣接する学問領域の1つにKnowledge translation(KT)があります.とくにカナダでは、EBMと近い意味でKTという用語が使われている、とも言われています(Straus, et al. 2018).McKibbonらは、KTに関する研究(以下、本記事では「KT関連研究」とします)が報告されている論文では、どのような用語が使われているのか等を調べた結果を発表しています (McKibbon et al., 2010).この論文が発表されたのは2010年ですが、結論としては、KTに関連する用語は様々であることが報告されました.▾研究の概要【文献の分類】・文献検索データベースで特定された論文を、KT論文 or NOTで分類・KT論文をさ...
2022.12.29 09:00Scoping Review | Factors related to the knowledge and skills of evidence-based practice among nursesWorldviews on evidence-based nursingのearly viewにて、EBPの知識やスキルに関連する要因のscoping reviewが公開されました (2022 Dec 26).Furukiらは、2021年10月までに発表された英語で発表された量的研究の論文47本について、どのような要因がEBPの知識・スキルに関連するのかをレビューした結果、個人要因と組織要因の2つに大別され、次の要因が関連している可能性があることを報告しています.・Educational level・Participation in EBP education・Experience conducting research・Resources and o...
2021.08.14 03:00EBP教育介入のレビュー|Effectiveness of training in EBM skills for healthcare profession: a SR (2016)医療分野のシステマティックレビューでは、Cochrane Handbookを参照した研究のRisk of Biasの評価がよく行われていますが、Hecht Lらが行ったEBP教育介入のレビューでも同様の試みがなされています (Hecht L, et al. 2018).また著者らは、EBP教育介入がcomplex interventions(※)であることにも注目し、”Reporting quality with regard to the development and evaluation of a complex intervention” についても評価されています.この研究では13件が対象となり、次のようなことがわかりました.・EBMトレーニ...
2021.08.14 03:00[EBP教育介入研究のレビュー] EBP educational intervention studies: a SR of what is taught and ... (2018)EBP教育介入研究では、EBMの5 stepsのどれか(または全て)が介入要素として含まれています.どのstepに焦点があてられるかは、研究の目的や対象者によって異なりますが、EBP教育介入で何が教えられているかをレビューした結果が2018年に発表されました (Albarqouni L, et al., 2018).この論文では、2017年5月にWeb of Scienceを使った文献検索の結果が報告されました.・対象となったのは85研究・最も多く含まれたのは文献の批判的吟味(Step3)で、続いて文献検索(Step 2)、臨床疑問の定式化(Step 1)・Step 1-3と比べると、適用(Step4)や評価(Step 5)は少ない・EBMの全てのst...
2021.07.24 07:00[EBP教育のSR] What are the effects of teaching EBHC? An update overview of SR (2021.07)これまでにもEBPに関する教育・学習効果を評価する研究のSystematic Review (SR) が発表されていますが、Bala MMらは、2014年にYoung Tらが発表した学部・大学院教育に関するSR (Young T, et al. 2014)を更新するSRを2021年7月に発表しました (Bala MM, et al. 2021).このSRでは次のようなことが明らかになりました.・今回のSRの対象となったSRは22本(このうち16本が、前回のYoungらのSRでも対象となったSR)・SRに含まれた一次論文は141本(このうち83本が、前回のYoungらのSRでも含まれた論文)・当初はEvidence-based Healthcare (E...
2021.07.24 07:00Barriers and facilitators to implementing evidence-based guidelines in long-term care (2021.07)EBPの阻害・促進要因の研究はImplementation Scienceの分野で進んできていますが、Long term careにおけるエビデンスに基づくガイドラインの実装を阻害・促進する要因の検討は、まだ発展途上にあります.このような中、McArthur Cらは"A. Barriers and facilitators to implementing evidence-based guidelines in long-term care: a qualitative evidence synthesis" という論文を発表しました(McArthur C, et al., 2021).この論文では、次のようなことが明らかとなりました.・2004年~2...
2021.06.26 07:15NPのEBP | Nurse Practitioners' Implementation of EBP Into Routine Care: A Scoping Review (2021.06)看護師を対象にしたEBPの調査は様々な国で行われ、レビュー論文も発表されていますが、Nurse Practitionersなど高度実践看護師のみに焦点をあてた論文は多くありません.そのような中、2021年6月にNurse Practitioners(以下、NP)を対象に行われたEBP研究のレビュー論文(Clarke V, et al., 2021) が発表されました.この研究の目的は「NPの日々のケアにおけるEBPの実装に影響する要因を調査すること」で、具体的にはEBPに対する信念、実装のレベル、EBPのバリアと促進要因などがレビューされました.その結果、次のようなことがわかりました.<方法>・対象:2009年~2018年までに発表された文献・研究デザ...
2021.03.02 03:30臨床ガイドラインのimplementation | 個人・ヘルスシステム・文化的な阻害・促進要因のsystematic metareview (2020)エビデンスのあるケアや治療等の普及に関しては、臨床ガイドラインと実践のギャップ(Evidence-practice gap)の研究が進んでいます.Correa VCらは2020年に "Individual, health system, and contextual barriers and facilitators for the implementation of clinical practice guidelines: a systematic metareview" という論文を発表しました.EBPを促進・阻害する要因は個人・組織・社会と様々なレベルに存在しますが、この論文は、臨床ガイドラインの実装の観点から、すでに行われている25のシステマ...