海外では、EBMに特化した本が多数出版されていますが、日本語の翻訳本は数が少なく、また、EBM/EBPに焦点をあてて書かれた日本語の書籍自体も、まだまだ少ないのが現状です(2020年12月18日時点).
EBMの考え方について学ぼうと思ったときの1冊に"Evidence-Based Medicine: How to Practice and Teach EBM"という書籍があります.
この書籍は、EBMの考え方、EBMの取り組み、文献の批判的吟味のポイント、最後にEBM教育に関する章で構成されています.文献の批判的吟味に関する書籍は他にも多数ありますが、とくにIntroductionは必読で、EBMを提唱している専門家たちがどのようにEBMを考えているかを理解するうえでも有用です.
Introductionの内容の例
・What is evidence-based medicine?
・Why the interest in EBM?・How do we practise EBM?
・Can clinicians practise EBM?
・What's the "E" in EBM?
・What are the limitations of EBM?
従来から提唱されているEBMの基本を理解することは、EBM/EBPを、多職種チームの共通言語として使っていくうえでも重要であると思います.
なお、看護師の実践でEBPを考えるときに、臨床疑問が必ずしもPICOで整理できるものばかりではなく、EBPに取り組むときの阻害要因も複雑で、単純化できない場面も多々あります.そのため、従来から提唱されているEBMと看護師のEBPが、ときに対立軸で捉えられてしまうこともあるのではないでしょうか.しかし本書を通して、EBMは看護師の実践を否定するものではないこともわかります.従来のEBMで整理しきれないことは、別のフレームワーク、例えばimplementation strategyのモデルなどで整理することも有用でしょう.
Reference.
Sharon E. Straus., et al. Evidence-Based Medicine: How to Practice and Teach EBM. 5th edition. Elsevier. 2018. (2020年12月時点では、2018年に出版された第5版が最新です)
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