Advanced practice nursesとEBPについて遡っていくと、2009年の米国医学研究所(Institute of Medicine, IOM)のレポートが参考になります.
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まずIOMが発表したレポート "Leadership Commitments to Improve Value in Health Care: Finding Common Ground: Workshop Summary" (2009)で、Evidence-based medicineについて以下のように述べられました.
Goal: By the year 2020, 90 percent of clinical decisions will be supported by accurate, timely, and up-to-date clinical information, and will reflect the best available evidence.
このIOMのレポートを受けて発表された "The Future of Nursing: Leading Change, Advancing Health" (2011) では、看護師は医療者の中で最大の専門職集団であり、実際に患者ケアに最も多くの時間を費やしていること、多職種でのチーム医療に貢献するポジションであることが述べられています.そのうえで、このレポートでは、看護師に求められるコンピテンシーの1つに "Evidence-based practice" があり、そのトレーニングの必要性についても言及されています.EBPをリードする役割は、とくに大学院修士課程(以上)を修了した看護師をはじめとした Advanced practice nurses への期待も大きく、医療職の中で最大の専門職である看護師が専門性を高めていくための教育制度の充実も求められます.
折しも、この目標の節目の年となる2020年は、COVID-19の世界的大流行が始まり、EBPの必要性と難しさの両方をあぶりだしました."The Future of Nursing 2020-2030" (2020)では、前述のThe Future of Nursingのミッションを2030年まで延長し、COVID-19流行下における看護師の役割について言及されています.
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IOMに関連する一連のレポートは、アメリカにおける看護師への期待について述べられたものであり、また日本とアメリカでは医療制度や文化など異なる点も多々あります.一方で、EBPの普及の必要性に加えて、看護師はチーム医療の一員であり、EBPチームの一員であることには変わりありません.
Reference.
・Institute of Medicine. 2009. Leadership Commitments to Improve Value in Health Care: Finding Common Ground: Workshop Summary. Washington, DC: The National Academies Press. DOI: 10.17226/11982 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21391347/
・Institute of Medicine (US) Committee on the Robert Wood Johnson Foundation Initiative on the Future of Nursing, at the Institute of Medicine. The Future of Nursing: Leading Change, Advancing Health. Washington (DC): National Academies Press (US); 2011. DOI: 10.17226/12956. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK209880/
・National Academy of Medicine. The Future of Nursing 2020-2030. https://nam.edu/publications/the-future-of-nursing-2020-2030/
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