[看護師の調査]　トルコの大学病院看護師を対象としたEBPの態度に関する調査結果 (2020.10)

看護師を対象とした調査は、北米などEBPが積極的に推進されている国では多く発表されていますが、トルコからも、大学病院の看護師を対象に2008年に実施した調査結果が発表されています． (Karakoç-Kumsar A, et al., 2020)

この調査の回答者は529人（回答割合60.6%）で、Evidence-Based Nursing Attitude Questionnaire (EBNAQ) (Ruzafa-Martínez M,et al., 2011)という尺度のトルコ語版が使われていました．

EBNAQのスコアは、次のような属性別に集計が行われました．属性による多少の違いはあるようですが、顕著な差はみられませんでした．
・例：年齢、性別、教育機関での実務経験、立場（経営に携わる立場かどうか）、診療科　　　（外科・内科など）、部署（手術室、ICU、救急など）

今回は記述統計が中心の研究結果であり、属性による顕著な違いはありませんでしたが、どういった集団にどのようなアプローチを進めていくかを検討するうえでは、属性によるレディネスの違いを検討しておくことは、重要な要因となると思われます．

EBNAQはEBPに対する態度を測る尺度であり、もともと態度スコアは高く出る傾向があること、1大学病院の看護師が対象であったことから、属性による差が出にくかった可能性もあります．一方で、EBPの実際の行動レベルでみると、診療科など属性による差が出る可能性もありますが、いずれにしても、組織の要因と個人の要因の両方を考慮した分析も検討が必要です．

References.

・Karakoç-Kumsar A, et al. Determining Attitudes of Nurses Toward Evidence-Based Nursing in a University Hospital Sample. Florence Nightingale J Nurs. 2020 Oct 26;28(3):268-275. doi: 10.5152/FNJN.2020.19022.

・Ruzafa-Martínez M,et al. Attitude towards Evidence-Based Nursing Questionnaire: development and psychometric testing in Spanish community nurses. J Eval Clin Pract. 2011;17(4):664-70. doi: 10.1111/j.1365-2753.2011.01677.x. 

・Ayhan Y, et al. Adaptation of the Evidence-Based Nursing Attitude Scale to Turkish Language: A validity and reliability study. Hemşirelikte Araştırma Geliştirme Dergisi. 2015;17:21–35. https://dergipark.org.tr/en/pub/hemarge/issue/52741/695897