EBPの信念・実装の自己評価尺度であるEBP Beliefs & Implementation Scales、EBPの組織文化を評価するEBP Organizational Culture and Readiness Scaleを開発したMenlykらは、2021年7月にこれらの3尺度のShort versionを発表しました (Menlyk BM, et al. 2021).
今回のShort version (S)では、元のLong version (L)から次のように変更されています.
・EBP Beliefs Scale: L- 16項目 ⇒ S- 3項目(相関係数0.64)
・EBP Implementation Scale: L- 18項目 ⇒ S- 3項目(相関係数0.42)
・EBP Organizational Culture and Readiness Scale: L- 25項目 ⇒ S- 3項目(相関係数0.72)
今回発表された3つの尺度のshort versionは、各尺度3項目と非常に簡便であり、どのようなEBP研究でも使いやすいと言えるかもしれません.一方で、Long versionとの相関が必ずしも高くない尺度があること、どのような経緯でshort versionで3項目になったのかは詳細に論文で述べられていないことなどに、注意が必要です.
このウエブサイトでも複数のEBP関連尺度を紹介してますが、EBPという概念に対し、非常に多くのEBP関連尺度が国内外で発表されています.例えば、「EBPに対する信念」を考えたときにも、開発者によって測定したい「EBPに対する信念」のスコープが異なれば、異なる尺度が必要とされ、結果的に多数の尺度が乱立している状況にあるともいえます.論文を読むときには、どのような項目で構成される尺度でEBPを評価しているのか、確認しておくことが安心です.
Reference.
Melnyk BM, et al. Psychometric Properties of the Short Versions of the EBP Beliefs Scale, the EBP Implementation Scale, and the EBP Organizational Culture and Readiness Scale. Worldviews Evid Based Nurs. 2021 Jul 20. doi: 10.1111/wvn.12525.
https://doi.org/10.1111/wvn.12525
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