2023.01.29 06:00レビュー論文 | Knowledge translationに関する文献で使われている用語に関する調査EBPに隣接する学問領域の1つにKnowledge translation(KT)があります.とくにカナダでは、EBMと近い意味でKTという用語が使われている、とも言われています(Straus, et al. 2018).McKibbonらは、KTに関する研究(以下、本記事では「KT関連研究」とします)が報告されている論文では、どのような用語が使われているのか等を調べた結果を発表しています (McKibbon et al., 2010).この論文が発表されたのは2010年ですが、結論としては、KTに関連する用語は様々であることが報告されました.▾研究の概要【文献の分類】・文献検索データベースで特定された論文を、KT論文 or NOTで分類・KT論文をさ...
2021.11.24 23:00Barriers ScaleのSR|The BARRIERS scale -- the barriers to research utilization scale: A SR (2010)EBP推進に関する研究は、現在Implementation Scienceへと移ってきていますが、EBPの阻害・促進要因の特定・分析は今も続いている調査の1つです.歴史的に古いのは、Research Utilizationの阻害を測る"the BARRIERS scale"(Funk SG, et al. 1991)を使った研究で、この系統的レビューが2010年に発表されています(Kajermo KN, et al. 2010).この系統的レビューでは、次のような内容がまとめられています.・Barriers Scaleの各ドメイン・項目ごとに、どれが「阻害要因」として報告されているか・これまでに発表されているBarriers Scaleの信頼性・妥当性...
2020.10.21 23:00[EBP mentorship programの研究] Implementing EBP: effectiveness of a structured multifaceted mentor...強いevidenceのある治療やケアがあっても、それが実際の臨床で実装(implementation)されないという課題が、長く指摘されています.このようなEBPの実装(implementing EBP)を進めるためのアプローチとして、EBPのメンターの育成が注目されてきました.これは、EBPの実装には組織文化が欠かせない等が背景にあります.EBP実装モデルにはいくつかありますが、そのうちの1つはMelnykらが開発した Advanced Research and Clinical practice through close collaboration(ARCC) Modelです.これは、mentor-menteeの関係性に注目し、mentorshi...
2020.07.13 22:00[EBP尺度の紹介] The Evidence-Based Practice Attitude Scale (EBPAS) (日本語訳あり)専門職のEBPを促進したり阻害する要因を考えるうえでは、まずは専門職自身がEBPに対してどのような態度であるか?が重要となります.このようなEBPに対する態度を測る尺度の1つとしてGregory A.らが開発したThe Evidence-Based Practice Attitude Scale (EBPAS)があり、すでに日本語訳が行われています.・EBPASの日本語訳は「科学的根拠に基づく実践を適用することへの態度尺度(EBPAS)日本語版」として発表されています(奥村ら, 2010)・Mental Healthの分野で開発された経緯から、日本でも精神科医を対象として検証が行われています・質問項目の内容は治療に関する用語も含まれています.海外では看...