専門職のEBPを促進したり阻害する要因を考えるうえでは、まずは専門職自身がEBPに対してどのような態度であるか?が重要となります.このようなEBPに対する態度を測る尺度の1つとしてGregory A.らが開発したThe Evidence-Based Practice Attitude Scale (EBPAS)があり、すでに日本語訳が行われています.
・EBPASの日本語訳は「科学的根拠に基づく実践を適用することへの態度尺度(EBPAS)日本語版」として発表されています(奥村ら, 2010)
・Mental Healthの分野で開発された経緯から、日本でも精神科医を対象として検証が行われています
・質問項目の内容は治療に関する用語も含まれています.
海外では看護師を対象としてEBPASを使った研究も行われており、専門職のEBPに対する態度という点では広く利用可能であると思われます.ただし、日本で看護師を対象としたときのcross-cultuarl validityの検証はまだ発表されていません(2020年7月14日時点).そのため、日本の看護師を対象とした研究の場合は、EBPASが自分の研究の目的に合致しているかや回答のしやすさ等を検討する必要があるでしょう.
日本語で利用可能なEBP関連の自己評価尺度はいくつかありますが、尺度によって測定可能な内容が異なります.研究の目的によって適切な尺度を選択できるよう、質問の内容などをよく吟味することが大切です.
References
- Gregory A. Aarons. Mental Health Provider Attitudes Toward Adoption of EvidenceBased Practice: TheEvidence-Based Practice Attitude Scale (EBPAS). Ment Health Serv Res. 2004; 6(2): 61–74. https://link.springer.com/article/10.1023/B:MHSR.0000024351.12294.65
- 奥村泰之, 他. 「科学的根拠に基づく実践を適用することへの態度尺度(EBPAS)」日本語版の心理測定学的特徴の検討. 精神医学. 2010; 52(1): 79–85. https://ci.nii.ac.jp/naid/40016905748
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