2024.09.28 02:30論文 | 日本の看護師・看護学生・看護系教員を対象としたEvidence-based Practiceとその隣接領域の研究を特定するプロセス及び研究の特徴:探索的スコーピングレビュー論文「日本の看護師・看護学生・看護系教員を対象としたEvidence-based Practiceとその隣接領域の研究を特定するプロセス及び研究の特徴:探索的スコーピングレビュー」(友滝愛, 小玉淑巨, 二見朝子. 日本看護科学学会誌. 2024;44:117-128.)が公開されました.「EBPやその隣接領域の研究論文を探そう!」と思ったときに、このレビュー論文の内容が踏み台となって、必要な文献を早く的確に検索できてたどり着き、その先により早く進むことの一助になれば幸いです.また本研究を通して得た以下の知見について、ウェブサイトで公開しています.詳しくは、サイト内関連記事をご参照頂ければ幸いです.レビューの対象となった文献リストレビューを行う過程で整...
2024.04.30 22:00特集記事 | EBPから実装へ1(2024.4)雑誌「看護研究」の2024年57巻(2号)に、特集「EBPから実装へ 1──モデルを深める」が掲載されました.この特集は2号連続の<前編>になります.■ 特集 EBPから実装へ 1-モデルを深める酒井郁子.看護実践におけるEBP実装モデルへの期待友滝 愛,深堀浩樹,津田泰伸.EBPにおける実装の理論・モデル・フレームワークを活用するために──その課題と方策を考える■ 看護分野でよく使われる・開発されているモデル高岡茉奈美 二見朝子.ARCC Model松岡千代.Iowa Model西村直子.JBI implementation framework■モデルを臨床にどう活かすか坂木孝輔.エビデンスに基づく看護実践の経験とARCC Modelの可能...
2024.02.09 08:00研究成果を実践に活かす:日本の看護分野の歴史をたどる(1989-2016)「研究成果を実践に活かす」という考え方は、今はEvidence-based Medicineの流れを汲んで、Implementation Sciece、Shared Decision Makingとつながっています. EBMが登場する以前は、とくに看護分野ではresearch utilization(研究成果の活用)の考え方で論じられてきていたように思います.そこで、現在に至るまでにどのような研究がなされていたのか、直近5年間を除いた2016年までの文献で辿ってみたいと思います.※なお、この記事に掲載している文献は、網羅的ではなく、当サイト管理人の主観に基づいて取捨選択したものです.History 1989-20161989年雑誌「看護研究」...
2023.12.14 22:00文献 | 図書司書によるEBP支援EBPでは,実践の疑問や課題に対してエビデンスとなる文献を「探す」というプロセスがあり,EBPを支える人材として,図書司書によるEBP支援があります.この記事では,日本で図書司書によるEBP支援について述べられている文献を紹介します.酒井 由紀子.EBMからEBL/EBLIPへ(前編) 医学図書館員によるEvidence-Based Practiceの支援.情報管理.2008;51(1):2-10.https://doi.org/10.1241/johokanri.51.2医学図書館員がEBPの支援にどのように関わってきているのか,北米を中心とした1990年代からの流れ,日本での取り組みについて概説されています.以下、本文より引用:” 臨床医に近いとこ...
2023.12.03 00:00研究成果の活用 | 日本の看護師を対象とした調査の例EBMの概念が提唱された1990年代より以前は,看護分野では「Research Utilization」という,研究成果を臨床で取り入れていくという概念が用いられていました.これは,日本でも「研究成果の活用」という言葉で知られています.参考:医学中央雑誌を用いて,文献のタイトルに「研究成果 and (活用 or 利活用)」が含まれる文献は172件で,このうち原著論文は29件でした.(2023/12/2時点)この投稿では,研究成果の活用に関する研究の書誌情報を掲載します.なお,文献のいくつかについては,研究で明らかになった知見の一部を引用紹介します.2023年奥村智志, 小久保 知由起.精神科看護師の研究成果活用に対する意識に影響する要因.看護科学研究....
2023.08.29 22:00胆嚢癌の終末期に代替医療を求めて遠方の医療施設へ転院した1事例を振り返って(2004)EBMの文脈では、しばしば「科学的根拠に基づく現代の標準治療」と「代替療法」について取り上げられることがあります.昨今もネットニュースやSNS、あるいは医師が執筆した書籍等で、このことについて触れられることがあります.橋本ら(2004)の論文「胆嚢癌の終末期に代替医療を求めて遠方の医療施設へ転院した1事例を振り返って」では、胆嚢癌の終末期に代替医療を求めて遠方の医療施設へ転院した患者の事例について、患者の死後1ヵ月の夫との面談から得られた家族の思いについて、述べられています.医療者の立場からは、おそらく単に「代替療法そのものの推奨・非推奨」という見解を示すというのではなく、患者の置かれている状況、標準治療の比較、そのうえでの治療法の選択、といったプロセ...
2023.06.29 22:00Recent articles (2023.6.30)論文のtitleやabstractにEBP, evidence-based interventionのimplementation & disseminationに関するキーワードが含まれている文献の書誌情報を掲載していきます.※ titleとabstractのみの確認でスクリーニングしています.あらかじめご了承ください.Knowledge, attitude, understanding and implementation of evidence-based practice among Jordanian radiographers. Alakhras M, et al. Radiography (Lond). 2023;29(...
2023.03.29 22:00教育教材 | 診療ガイドラインの学習教材EBM普及推進事業の一環で運営されている「Mindsガイドラインライブラリ」(https://minds.jcqhc.or.jp/)のウェブサイトに、2023年3月28日付で「診療ガイドライン学習教材」(https://minds.jcqhc.or.jp/s/developer_program_doc)が公開されています.この教材について、ウェブサイトでは以下のように紹介されています.EBM(evidence-based medicine)や診療ガイドラインにご関心のある方に、EBMや診療ガイドラインの基礎、協働意思決定や診療ガイドライン利活用の全体像などをご紹介する動画教材です.2023年3月28日付で公開された教材は5つで、短い動画とスライドのPD...
2023.03.24 08:05「聖なる牛」を探せ~EBP実装の旅の始まりEBMのプロセスは、よくStep1「臨床疑問の定式化」から紹介されますが、このEBMの5 stepsをベースに step 0 "Cultivating of a spirit of inquiry", step 6 "Disseminate EBP results" を加えた7 stepsが、看護分野ではしばしば引用されます.このStep0から Step1へと移っていくうえでは、「慣習に気付く」ことがしばしば必要になります.では、EBPの文脈で「慣習を変える」とは、具体的にはどのようなことなのか?これについて、「「聖なる牛」を探せ~EBP実装の旅の始まり」(酒井, 2022)では、次のように紹介されています.「医療現場では伝統的な慣習が定着しやすく、こ...
2023.02.25 09:30EBP関連尺度 | Japanese Health Sciences Evidence-based Practice Questionnaire当サイトでは、2019年までに発表された看護師対象としたEBPの調査・研究で利用可能な日本語尺度」を紹介してきました(※).そこで、2020年以降に発表された尺度として、Takahashiら(2021) の”Japanese Health Science Evidence Based Questionnaire (Japanese HS-EBP)”を紹介します.(※) 詳しくは本ページ最後の「サイト内記事」をご参照くださいJapanese HS-EBPは、スペイン語のHealth Sciences Evidence-based Practice Questionnaireを日本語訳に翻訳したもので、次の5つのドメインで構成されます.各項目は10段階評価...
2023.02.07 22:30尺度の項目一覧 | 日本語で看護師が利用可能なEBPに関する自己評価尺度EBPに関するアンケート調査や研究を行うと思ったときに、EBPのどの側面を評価したいか?によって、用いる調査票が異なることについて、これまで当サイトでも紹介してきました.日本語で看護師対象とした調査・研究で利用可能な尺度一覧は、サイト内掲載記事(文末をご参照ください)に掲載していますが、実際に各尺度を構成している質問項目一覧にご関心がある方にもご使用いただけるよう、Excelを作成しました.ファイルダウンロード用URLhttps://researchmap.jp/multidatabases/multidatabase_contents/detail/247259/a8bab50c34c30bb7be602aa313d5fb13?frame_id=79...
2023.01.30 08:40学会発表 | East Asia Forum of Nursing Scholars 20232023年3月10-11日に行われる26th East Asia Forum of Nursing Scholars (EAFONS2023) にて、EBPに関する研究を演題登録しています.Tomotaki A, Kodama Y, Futami A. Methodology for searching and screening the studies on evidence-based practice in Japanese nurses: A pilot test for scoping reviewTomotaki A, Sakai I, Fukahori H, Tsuda Y. Process of integratin...