EBMの文脈では、しばしば「科学的根拠に基づく現代の標準治療」と「代替療法」について取り上げられることがあります.昨今もネットニュースやSNS、あるいは医師が執筆した書籍等で、このことについて触れられることがあります.
橋本ら(2004)の論文「胆嚢癌の終末期に代替医療を求めて遠方の医療施設へ転院した1事例を振り返って」では、胆嚢癌の終末期に代替医療を求めて遠方の医療施設へ転院した患者の事例について、患者の死後1ヵ月の夫との面談から得られた家族の思いについて、述べられています.
医療者の立場からは、おそらく単に「代替療法そのものの推奨・非推奨」という見解を示すというのではなく、患者の置かれている状況、標準治療の比較、そのうえでの治療法の選択、といったプロセスの中で、「利用可能な最良のエビデンス」に基づいた選択肢を検討しているのではないかと思います.そこに、患者や家族の想い・考えがどのように統合されていくのかを知るうえで、重要な記述であるように思います.
Reference.
橋本,他.胆嚢癌の終末期に代替医療を求めて遠方の医療施設へ転院した1事例を振り返って.消化器外科nursing. 2004;9(9):980-985.
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