[EBP教育介入研究のレビュー] EBP educational intervention studies: a SR of what is taught and ... (2018)

EBP教育介入研究では、EBMの5 stepsのどれか(または全て)が介入要素として含まれています.どのstepに焦点があてられるかは、研究の目的や対象者によって異なりますが、EBP教育介入で何が教えられているかをレビューした結果が2018年に発表されました (Albarqouni L, et al., 2018).


この論文では、2017年5月にWeb of Scienceを使った文献検索の結果が報告されました.

・対象となったのは85研究
・最も多く含まれたのは文献の批判的吟味(Step3)で、続いて文献検索(Step 2)、臨床疑問の定式化(Step 1)

・Step 1-3と比べると、適用(Step4)や評価(Step 5)は少ない
・EBMの全てのstepsが含まれていたのは、全体の約10%程度


Figure2 "Percentage (numbers in bars) of studies which teach each of the 5 EBP steps (1: ask; 2: acquire; 3: appraise; 4: apply; 5: assess), grouped by publication year" からは、文献の批判的吟味が含まれる教育介入は、2004年まではその傾向が顕著なようでしたが、2005年以降は、臨床疑問の定式化(Step 1)や文献検索(Step 2)、適用(Step 4)も増加傾向にあることがわかります.


EBPは”適用”(Step 4)と"評価"(Step 5)まで行ってこそのEBPですが、教育介入にこれらののstepsが含まれていないことがEBP教育介入研究の欠点であり限界であるという指摘もありますが、"批判的吟味"(Step3)に対する教育のニーズや関心の高さを表しているという見方もできます.

また、もし5つのステップを全て含めた教育介入を検討するとしても、ステップによって、教え方・学び方のポイントや難易度など教育介入の成功に必要な要素・作用機序も異なります.ステップごとの教育介入研究のデザインとその評価の知見を積み重ねながら、5 Stepsを全て含む効果的なEBP教育介入のエビデンスを構築していくことも重要ではないでしょうか.


※なお本記事では触れていませんが、この論文では、アウトカム評価で使われていた尺度についての見解もまとめられています.


Reference.

・ Albarqouni L, et al. Evidence-based practice educational intervention studies: a systematic review of what is taught and how it is measured. BMC Med Educ. 2018;18(1):177. https://doi.org/10.1186/s12909-018-1284-1

EBP Research News

Evidence-based Practice (EBP)に関連する文献や動画、教材、書籍などを掲載しているWebsiteです.

0コメント

  • 1000 / 1000