日本の看護師を対象に「文献をどの程度閲覧しているか」の日頃の習慣を調査した研究は、研究成果の利活用の文脈からガイドラインの活用・Evidence-based practiceへと変化しています.本稿では、これらの研究例を紹介します.
・二見ら(2019)が病院看護師を対象に行った調査(n=986)では、科学的根拠としてガイドラインを利用しているのは58.4%、論文データベースを利用しているのは32.8%で、1ヵ月に1回以上利用しているのはそれぞれ12.3%、5.3%
・亀岡ら(2015) による病院の臨床看護師で臨床経験5年以上の看護師を対象とした調査(n=632)では、専門誌の閲覧状況が月に「ほとんど読まない」17.3%、「1~2冊」17.2%、「2~3冊」18.9%、「4~5冊」20.0%、「6冊以上」10.4%
・宮首ら(2011)らが認定看護師を対象に行った調査(n=470)では、月に看護専門誌を閲覧する頻度は「0冊」8.5%、「1~2冊」62.3%、「3~4冊」22.1%、「5冊以上」7.0%・遠藤ら(2010)による認定管理者講習の受講者を対象に行った調査(n=128)では、購読専門誌数の月平均(標準偏差)が4(3)冊.
・清村ら(2004)による調査(n=306)では、論文閲覧頻度が「全く読まない」12.1%、「あまり読まない」50.7%、「時々読む」35%、「いつも読む」1.6%、「無回答」0.7%
References.
- 二見朝子, 他. 看護師のクリティカルシンキングと 科学的根拠の利用の関連. 日本看護科学会誌. 2019;39:261–269. https://doi.org/10.5630/jans.39.261
- 亀岡智美, 他. 看護実践の卓越性に関係する特性の探索-臨床経験 5 年以上の看護師に焦点を当てて-. 国立看護大学校研究紀要. 2015;14(1):1–10. http://www.ncn.ac.jp/academic/020/2015/2015jns-ncnj03.pdf
- 宮首由美子, 他. 認定看護師の研究成果活用の現状と学習状況との関係. 国立看護大学校紀要. 2011;10(1):31–38. https://www.ncn.ac.jp/academic/020/2011/2011jns-ncnj06.pdf
- 遠藤良仁, 他 . 看護管理者が認識する研究成果活用を推進する 組織的支援の現状と阻害要因の検討. 日本看護研究学会雑誌. 2010;33(2):61-68. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsnr/33/2/33_20091119004/_pdf/-char/ja
- 清村紀子, 他. 臨床での研究成果活用に関する要因分析. 日本看護研究学会雑誌. 2004;27(1): 59-72. https://doi.org/10.15065/jjsnr.20031128003
[サイト内関連記事]
Clinical usefulness of library and information services in Japan (2018)
https://ebp-research.themedia.jp/posts/37397895
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