この論文が発表されたのは2010年ですが、結論としては、KTに関連する用語は様々であることが報告されました.
▾研究の概要
【文献の分類】
・文献検索データベースで特定された論文を、KT論文 or NOTで分類
・KT論文をさらに分類:KT projects/implementations (KT application articles)/presented the theoretical basis, models, tools, methods/techniques of KT (KT theory articles)
【分析】
・KT論文 or NOTで、タイトル・抄録にKT用語が使われていた頻度・割合等を比較
【結果】
・文献検索データベースで2,603 件の論文が特定され、スクリーニングの結果、581 件が KT 論文だった.
・KTに関連する用語として100個が特定され、このうち46個は、文献データベースで特定された論文2,603件全てに含まれていた.・KT論文では、KT論文ではない論文よりも、次の用語がよく含まれていた:implementation, adoption, quality improvement, dissemination, complex intervention (with multiple endings), implementation (within three words of) research, and complex intervention.
この結果から、KTの文献を特定するには労力が伴うこと、論文で使われる用語に注意を払う必要があること等がわかります.
文献レビューは、新しい研究を行ううえで非常に重要な作業ですが、用語が普及していない場合や多義的に使われる場合には、検索も容易ではありません.これはEBPに関する研究も同様ではないでしょうか.
近年は様々なツールの開発やAIにより、文献検索のあり方も変わってきていますが、文献のsearch strategyに関する研究の発展が期待されます.
Reference
McKibbon KA, Lokker C, Wilczynski NL, et al. A cross-sectional study of the number and frequency of terms used to refer to knowledge translation in a body of health literature in 2006: a Tower of Babel?. Implement Sci. 2010;5:16. https://doi.org/10.1186/1748-5908-5-16
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