EBP教育介入のレビュー|Effectiveness of training in EBM skills for healthcare profession: a SR (2016)

医療分野のシステマティックレビューでは、Cochrane Handbookを参照した研究のRisk of Biasの評価がよく行われていますが、Hecht Lらが行ったEBP教育介入のレビューでも同様の試みがなされています (Hecht L, et al. 2018).

また著者らは、EBP教育介入がcomplex interventions(※)であることにも注目し、”Reporting quality with regard to the development and evaluation of a complex intervention” についても評価されています.


この研究では13件が対象となり、次のようなことがわかりました.

・EBMトレーニングの期間は様々(5時間~48時間)
・EBMの5つのステップについて、①全てが含まれているプログラムは2つ、②Step1-4が含まれているのは4つ、Step1-3が含まれていたのは3つ


・トレーニングに含まれる要素について、十分な説明がないものもあった

・Risk of Biasは、not applicable, low, unclear, highで評価されたが、全体的にrisk of biasが低いとはいえない
・Complex interventionに関する情報は不十分

・各論文の報告の質が低いため、効果的なトレーニングの要素について言及が難しい


EBP教育介入は、研究が実施されるsetting、対象者のレディネス、提供される教育介入の構成要素などが様々です.そのため「効果的なEBP教育介入とは何か?」に答えるには、まず研究報告の質が高いことが欠かせません.そのうえで、バイアスができるだけ制御されている研究デザインが用いられていることが、結果の妥当性と一般化可能性を高めます.EBP教育介入に関する方法論のさらなる発展が望まれます.


(※)Complex Interventionsについては、Medical Research Councilが発表しているガイダンスが参考になります.
Medical Research Council  https://mrc.ukri.org/


Reference.

Hecht L, et al. Effectiveness of training in evidence-based medicine skills for healthcare professionals: a systematic review. BMC medical education, 2016;16:103. https://doi.org/10.1186/s12909-016-0616-2

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