セミナー発表|日々の「困った!」を解決しよう -今さら聞けるエビデンスの話-(2022.02.12)

第39回 日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会総会のスイーツセミナー(主催:株式会社ホリスター)『日々の「困った!」を解決しよう -今さら聞けるエビデンスの話-』(座長:紺家千津子先生,石川県立看護大学/発表者:友滝愛,国立看護大学校・山本千春さん, 株式会社ホリスター)にて、EBPに関する発表の機会を頂きました.

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私(友滝)がストーマケアに携わった経験は、病院看護師として小児外科・HCU病棟で勤務していたときですが、ストーマケアの分野は、患者さんのアセスメント、装具の選択、生活していく中でのケアなど、1つ1つの工夫が、QOLの改善や皮膚トラブルの回避に直結する専門性の高い分野だと感じています.


そのような臨床の過程で、「どのケアがいいんだろうか…」「もし他のケアに変えたら、患者さんの〇〇の症状は本当に改善するのだろうか」といった悩みに遭遇したとき、皆さんはどのように解決のヒントを探しているでしょうか.もちろんできることならば、患者さんの困りごとが解決する可能性がより高い方法を選びたいと思っていらっしゃると思います.


このような臨床での意思決定の根拠として「強いエビデンス」とされるのが、複数の患者さんを対象として行われた研究、とくにランダム化比較試験と呼ばれる研究で行われたものです.ストーマケアの分野では、患者ひとり一人のケアの症例報告も多く報告されていますが、なぜランダム化試験なのか・・・


それは「今回たまたまうまくいった」だけなのか、「似たような別の患者さんにも同様の効果が得られる」のか、といったエビデンスの確からしさが関係しているからです.そして、この考え方が「患者さんの困りごとが解決する可能性がより高いケアを選ぶ」ことにつながっていきます.このようなアプローチは、Evidence-based Practiceの考え方を知ることで、臨床で研究の知見を統合することができるようになります.


私の発表では、ランダム化比較試験やメタアナリシスがなぜ重要視されているのか?ストーマケアに関するランダム化比較試験にはどのようなものがあるのか?を中心にお話させて頂きましたが、ストーマケアの実際については、山本千春さん(株式会社ホリスター、皮膚・排泄ケア認定看護師)にご講演いただき、座長の紺野千津子先生からは、EBPを前進させるための力強いメッセージを頂きました,EBPの歴史・理論・実践をぎゅっと凝縮させた50分間となっています.


なお、学会は2022年3月末までオンデマンド配信されており、最終日までオンラインにて参加申込・視聴可とのことです.当セミナーはもちろん学会プログラムのごく一部で、他にも様々なプログラムが視聴可能です.ご関心のある方がいらっしゃいましたら、ぜひご視聴頂ければ幸いです.


Reference.
友滝 愛.日々の「困った!」を解決しよう -今さら聞けるエビデンスの話-.第39回 日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会総会 スイーツセミナー1(主催:株式会社ホリスター).2022年2月12日.高松/Web開催. 

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