EBMにまつわるピラミッド:EBHC pyramid 5.0 (2016)


この記事では、EBMにまつわるピラミッドとして、EBHC pyramid 5.0 (Alper BS, et al. 2016)を紹介します.


EBMでは、研究デザインに焦点をあてたエビデンスレベルのヒエラルキーを整理したピラミッドが有名ですが(本ウェブサイト内関連記事)、臨床で研究結果を実践に統合するということを考えたときに、例えば「メタアナリシスの結果」のみがあれば解決かというと、そうではありません.

メタアナリシスは、たしかにあるclinical questionに対する答えを、research questionとして組み立てて、その結果を示してくれています.しかし実際の臨床で意思決定を行う過程では、メタアナリシスの結果以外にも、様々な情報を要します.(例えば、科学的根拠に基づくガイドラインでは、エビデンスの確からしさと、臨床への推奨で整理されています.)さらに、日々忙しい実践の中で、論文はどんどん増え続けます.


そこでAlperらが紹介しているのが、EBHC pyramid 5.0 for accessing preappraised evidence and guidance です.

このピラミッドは、Haynes(2001)が発表した”4S model”がもとのなっています.エビデンスに基づいたヘルスケア(Evidence-based healhcare, EBHC)で、最良のエビエンスを迅速にみつけるためにどのようにリソースを選択すればよいのか?というガイダンスを目的としたものです.(この4S modelを拡張した6S model(Haynes, 2009)、9S model (Jeffery R, 2014)があり、現在の EBHC pyramid 5.0 になっているようです.)


EBMにまつわるピラミッドがいくつもありますが、目的に応じて、EBMの”ガイド”となるものを選んでいきたいものです.



References.

  • Alper, B. S., & Haynes, R. B. (2016). EBHC pyramid 5.0 for accessing preappraised evidence and guidance. Evidence-based medicine, 21(4), 123–125. https://doi.org/10.1136/ebmed-2016-110447
  • Alper BS. Evolution of EBM: from synthesized evidence and varied guidance to synthesized guidance. Presented at International Society for Evidence-based Health Care (ISEHC) conference; Taipei, Taiwan. 7 November 2014.
  • Haynes RB. Of studies, summaries, synopses, and systems: the “4S” evolution of services for finding current best evidence. ACP J Club 2001;134:A11–3. Evidence-Based Medicine 2001;6:36–8 http://dx.doi.org/10.1136/ebm.11.6.162-a


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