看護分野のEBP研究は、臨床看護師、看護管理職を対象とした研究に加えて、専門看護師やDNPのコースに所属する大学院生や、資格取得前の看護学生を対象とした研究が増えてきています.このような研究は、アメリカをはじめとした英語圏の国で先駆的に行われてきましたが、近年は非英語圏の研究も増えています.
Al Qadire M (2019)は、ヨルダンの都市部・北部にある3つの公立大学の看護学生316人を対象に行った、EBPの知識や態度などの横断調査の結果を発表しました.
その結果、
- 対象者の約半数が男性で、平均年齢は21.6歳(標準偏差:2.7)
- EBPの知識テストの平均スコアが非常に低かった
- とくに批判的吟味と、エビデンスを統合するスキルが非常に弱く、改善の余地がある
- 看護学部で看護学生にEBPアプローチを導入するうえで、研究に関するコースが主力になる可能性がある
ことなどが明らかとなりました.
EBPには臨床・研究に関する様々な知識スキルが求められますが、文献の検索や批判的吟味といった研究の知識スキルは、臨床看護師においても自己評価が低い傾向にあります.臨床で働く前の看護基礎教育の段階で、これらの知識スキルを習得しておくことは、実践の科学を支える学士課程の卒業生にとって重要でしょう.
Reference.
Al Qadire M. Undergraduate student nurses' knowledge of evidence-based practice: A short online survey.
Nurse Educ Today. 2019;72:1-5. doi: 10.1016/j.nedt.2018.10.004.
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