2021.03.27 07:00[資料] 日本の看護学生・看護師の高等教育における「根拠に基づく実践」の記述に関する文献レビュー(2021.03)基礎教育・生涯教育において、EBPを学習できる環境をどのように整えていくかは、国内外でも大きな課題の1つとなっています.しかし、日本でEBPの教育がどのように行われているかを報告した実態調査はまだありません(2021年3月時点).そこでまずEBP教育の基礎資料として、日本の高等教育機関(大学・大学院)における看護師の養成に関する文書で、EBPについてどのように記述されているかをレビューした結果を発表しました.友滝愛, 津田泰伸. 日本の看護学生・看護師の高等教育における「根拠に基づく実践」の記述に関する文献レビュー. 国立看護大学校研究紀要. 2021;20(1):36-42.http://www.ncn.ac.jp/academic/020/2021...
2021.03.24 23:00[EBP教育プログラムの評価] The Johns Hopkins Nursing Evidence-Based Practice Model を用いた前後比較研究(2020)強い効果を示すEBP教育プログラムのエビデンスはまだ不十分で、教育介入の評価が求められています.そのような中、Liuら(2020)は、the Johns Hopkins Nursing Evidence-Based Practice Model を用いた教育プログラムを開発し、その結果が発表されました.この研究では、次のような内容が報告されました.・対象は中国の医療センターに所属する約1400人の看護師で、このうち111人が研究に参加・研究デザインは、教育プログラムの前後比較・教育プログラムは、the Johns Hopkins Nursing Evidence-Based Practice Modelを用いながら、その他の教科書等も参考に設計され、複...
2021.03.24 23:00[看護師の調査] アメリカ看護師のEBPコンピテンシーに関する調査(2018)Melnykらは2018年に、アメリカの看護師約2300人から回答を得たEBPのコンピテンシーに対する調査結果を発表しました(Melnyk et al., 2018).これまでの先行研究では、看護師はEBPに対して肯定的であるものの、EBPの知識スキルが不足していると感じている傾向があり、EBP教育の先駆的な取り組みが行われているアメリカ以外の報告が多くありました.そのような中で、近年のアメリカの報告は、EBP教育がまだ遅れている国にも重要な知見です.この調査結果では、次のようなことが報告されました.・アメリカの19の病院等に所属する看護師2,344人から、オンラインアンケートの回答を得た・調査票には、demographic questions/ si...
2021.03.18 23:00翻訳書『実装研究のための統合フレームワーク―CFIR―』(2021)※この記事で紹介している「翻訳書『実装研究のための統合フレームワーク―CFIR―』(2021)」は、原版は改訂版が発表されています.詳しくは下記投稿もご参照ください.2024.02.24 07:00 実装研究のための統合フレームワーク CFIRに関する情報のまとめ(2024/3/3追記)---Implementation scienceへの期待が高まっていますが、implementation researchのフレームワークの1つがCFIRです.CFIRとは、Consolidated Framework for Implementation Researchの頭文字をとったもので、2009年にDamschroderらによって発表されました(Damsch...
2021.03.02 03:30臨床ガイドラインのimplementation | 個人・ヘルスシステム・文化的な阻害・促進要因のsystematic metareview (2020)エビデンスのあるケアや治療等の普及に関しては、臨床ガイドラインと実践のギャップ(Evidence-practice gap)の研究が進んでいます.Correa VCらは2020年に "Individual, health system, and contextual barriers and facilitators for the implementation of clinical practice guidelines: a systematic metareview" という論文を発表しました.EBPを促進・阻害する要因は個人・組織・社会と様々なレベルに存在しますが、この論文は、臨床ガイドラインの実装の観点から、すでに行われている25のシステマ...
2021.03.02 03:30[臨床ガイドラインの活用と普及] 日本における実態調査等の報告(Mindsより)日本における臨床ガイドラインの活用や普及に関する調査の例としては、日本医療機能評価機構のMindsガイドラインライブラリのウエブサイトに掲載されている情報を参考にすることができます.例1:Minds-QIP(Quality Indicator/Improvement Project)プロジェクト全国約400の病院と提携して行われた調査で、診療ガイドラインの認識や活用、診療ガイドラインに沿った診療の実施状況などについて、事例とともに報告されています.また事業の最終年度(平成30年度)の報告書では、診療ガイドライン活用促進のための提言もまとめられています.
2021.03.02 03:30[調査] 推奨される治療やケアの遵守率に関する実態調査(2003)Evidence-practice gapを評価するためには、推奨される治療やケアと実際に行われている方法の乖離を調査する必要があります.このような研究の例として、2003年に発表された "The Quality of Health Care Delivered to Adults in the United States" という論文があります.この研究はアメリカの12の都市に住む成人を対象に行われたものです.ランダムに選ばれた人に電話をかけ医療機関の受診を尋ね、直近2年間のカルテ閲覧の許可を得てデータ収集が行われました.30の急性期・慢性期分野で、ケアの質や予防ケアに関する439の指標を評価され、次のようなことが明らかとなりました.・推奨されるケア...