2021.07.25 23:00[連載] 看護師のギモンに応える!エビデンスの使い方・広め方 第4回 慣習を見直しEBPにつなげるリーダーシップ(2021.7)週刊医学界新聞の連載「看護師のギモンに応える!エビデンスの使い方・広め方 」(看護号)の第4回は『慣習を見直しEBPにつなげるリーダーシップ』です.この回では、管理者の視点から「実際に何から考えていけば良いのだろう?」について、事例とともに紹介されています.EBM(EBP)では5つのステップが有名ですが、Step1の「臨床疑問を定式化する」前には、そもそも疑問をもつというStep0 が必要です.それは、EBPかどうかによらず、「もっと良くできるのではないか?」という日々の実践を見直すことそのものであり、「慣習を見直す」というところにつながってきます.では、どうして慣習は見直されずに引き継がれていくのか・・・というのは、誰しもがはっとするところではないか...
2021.07.24 07:00[EBP教育のSR] What are the effects of teaching EBHC? An update overview of SR (2021.07)これまでにもEBPに関する教育・学習効果を評価する研究のSystematic Review (SR) が発表されていますが、Bala MMらは、2014年にYoung Tらが発表した学部・大学院教育に関するSR (Young T, et al. 2014)を更新するSRを2021年7月に発表しました (Bala MM, et al. 2021).このSRでは次のようなことが明らかになりました.・今回のSRの対象となったSRは22本(このうち16本が、前回のYoungらのSRでも対象となったSR)・SRに含まれた一次論文は141本(このうち83本が、前回のYoungらのSRでも含まれた論文)・当初はEvidence-based Healthcare (E...
2021.07.24 07:00Barriers and facilitators to implementing evidence-based guidelines in long-term care (2021.07)EBPの阻害・促進要因の研究はImplementation Scienceの分野で進んできていますが、Long term careにおけるエビデンスに基づくガイドラインの実装を阻害・促進する要因の検討は、まだ発展途上にあります.このような中、McArthur Cらは"A. Barriers and facilitators to implementing evidence-based guidelines in long-term care: a qualitative evidence synthesis" という論文を発表しました(McArthur C, et al., 2021).この論文では、次のようなことが明らかとなりました.・2004年~2...
2021.07.24 07:00[EBP関連尺度] Short Versions-EBP Beliefs, Implementation, Organizational Culture/Readiness Scale (2021)EBPの信念・実装の自己評価尺度であるEBP Beliefs & Implementation Scales、EBPの組織文化を評価するEBP Organizational Culture and Readiness Scaleを開発したMenlykらは、2021年7月にこれらの3尺度のShort versionを発表しました (Menlyk BM, et al. 2021).今回のShort version (S)では、元のLong version (L)から次のように変更されています.・EBP Beliefs Scale: L- 16項目 ⇒ S- 3項目(相関係数0.64)・EBP Implementation Scale: L- 18項...
2021.07.17 10:02[大学院教育] ノルウェーにおける多職種EBP教育 (2016)EBPは専門職として学び続けるものですが、効果的なEBP教育はまだ確立されておらず、とくに大学院のEBP教育の研究はまだ発展途上にあります.Holeら(Hole GO, et al., 2016)は、ノルウェーの大学院修士課程でEBP教育を提供し、修了1年後に、インタビューを行った結果 "Educating change agents: a qualitative descriptive study of graduates of a Master's program in evidence-based practice" を発表しました.対象者の多くに看護師が含まれています.この研究の目的は、大学院修士課程の修了生が「EBPの原則を適用する能力をどの...
2021.07.17 09:00[看護師の調査] トルコの大学病院看護師を対象としたEBPの態度に関する調査結果 (2020.10)看護師を対象とした調査は、北米などEBPが積極的に推進されている国では多く発表されていますが、トルコからも、大学病院の看護師を対象に2008年に実施した調査結果が発表されています. (Karakoç-Kumsar A, et al., 2020)この調査の回答者は529人(回答割合60.6%)で、Evidence-Based Nursing Attitude Questionnaire (EBNAQ) (Ruzafa-Martínez M,et al., 2011)という尺度のトルコ語版が使われていました.EBNAQのスコアは、次のような属性別に集計が行われました.属性による多少の違いはあるようですが、顕著な差はみられませんでした.・例:年齢、性別、教...
2021.07.17 07:00日本の診療ガイドラインの質 (2021.7)科学的根拠に基づく臨床ガイドライン(Clinical Practice Guideline, 以下CPG)は、Evidence-based Practice(EBP)の"evidence"を支える重要なリソースの1つです.科学的根拠に基づくCPGは、その質を保証するために、事前に定められた一定の方法に則って作成・改訂作業が進められますが、実際に発表されたCPGの質評価は十分ではありません.そのような中、2018-2019年に発表された日本のCPGの質を評価する研究結果が、報告されました (Kataoka Y, et al., 2021).CPGの質評価ではAGREEⅡ (Brouwers MC, et al., 2010)の日本語版が使用され、報告の質...
2021.07.12 23:00論文|看護教育者のEBP実装の経験 (2018)EBP教育の充実には、看護教育に携わる教育者自身がEBPを理解していることが基盤となります. 2018年に、南アフリカ大学のMthiyane先生らによる "The experiences of nurse educators in implementing evidence-based practice in teaching and learning" という論文が発表されました (Mthiyane, et al. 2018).この論文では、12人の nursing educatorを対象に2017年に実施された半構造化面接の研究結果が報告されました.・研究の目的:教育・学習でのEBP実装における看護教育者の経験を検証することでした- Improvi...
2021.07.12 23:00[Story of EBP] 医師のEBMとリサーチエビデンス (2021.07)EBPの5つのステップは、EBMをすでに学んでいる人にとっては非常に有名ですが、実際の臨床でリサーチエビデンスをどのように実践に統合しているのか、EBPのストーリーとしてわかりやすく示されているものは、日本ではあまり多くないかもしれません.2021年7月12日に発行された「シリーズ この先生に会いたい!! 香坂俊氏に聞く―納得いくまで診療を突き詰める」(週刊医学界新聞(レジデント号):第3428号)では、循環器医として米国で研鑽を積んだ後,国内で診療に従事しながら多数の臨床研究の実施や後進の育成等に取り組んでいる医師が、リサーチエビデンスによって診療が変わった事例を紹介しています.看護師と医師では、EBP/EBMを考えるうえで、専門職種による違いがある...
2021.07.01 08:00[講演] EBP思考でベストプラクティスを探究-リサーチエビデンスの読み方・使い方・学び方(2021.7.1-7.31)第17回日本クリティカルケア看護学会学術集会が、2021年7月1日~7月31日にオンデマンド開催(一部、リアルタイム配信あり)で開催されています.当サイト管理人も、EBPのテーマで「EBP思考でベストプラクティスを探究しよう!-リサーチエビデンスの読み方・使い方・学び方」(アカデミックセミナー6)をお話する機会を頂きました.EBPに関連するトピックでは、ガイドラインに関するセミナー等も複数あり、また学術集会テーマ「クリティカルケアにおける多様性への対応」の通り、興味深いセミナーがたくさん企画されています.▾学術集会ウエブサイト