EBMのプロセスは、よくStep1「臨床疑問の定式化」から紹介されますが、このEBMの5 stepsをベースに step 0 "Cultivating of a spirit of inquiry", step 6 "Disseminate EBP results" を加えた7 stepsが、看護分野ではしばしば引用されます.このStep0から Step1へと移っていくうえでは、「慣習に気付く」ことがしばしば必要になります.
では、EBPの文脈で「慣習を変える」とは、具体的にはどのようなことなのか?これについて、「「聖なる牛」を探せ~EBP実装の旅の始まり」(酒井, 2022)では、次のように紹介されています.
「医療現場では伝統的な慣習が定着しやすく、この慣習を変化させようとすると抵抗が生まれる、というようなことは多くあります。この慣習に基づいたケアを聖なる牛と呼ぶのです」
聖なる牛に出会ったら、それはあなたに「聖なる牛をみることができる能力が備わっている」ということです。沈黙せずに、スピークアウトしましょう。EBPという旅の仲間がきっと近くにいるかもしれません。いないかもしれないけど。だけどそんなときも「親切にしたほうがいいよ、あなたが会う人はみんな厳しい戦いをしているんだから」とプラトンは言いました。みんなよい医療をしたいなと思っているのですから、そこの共有から始めるのがいいのかなと思います。
EBMのStep1の臨床疑問は、そもそも「これってどうなんだろう?」「今のままでいいのかな?」「何かちょっとひっかかる」…そんな自分の中の”ひっかかり”がないと、なかなかたどり着けないのではないかと思います.その”ひっかかり”は、私たちの身近な「慣習」に潜んでいるのだとしたら…まずは聖なる牛を探してみる!から始めてみるとよいかもしれません.
Reference.
- 酒井郁子.カピバラ教授のアディショナルタイム 第2回:「聖なる牛」を探せ~EBP実装の旅の始まり.NurSHARE. 2022.05.19. https://www.nurshare.jp/article/detail/10231
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